公正証書遺言について

公正証書遺言

このページでは、公正証書遺言の特徴と、メリット・デメリットを紹介します。

公正証書遺言の特徴

公正証書遺言とは、遺言者が公証人に依頼して、公証人が作成する遺言書です。
事前に遺言書の文案(下書き)を作り、公証役場に内容を確認してもらいます。
その後内容が確定した遺言の文案を、公証人、遺言者及び証人2名で確認し、内容に間違いがない場合には、公証人、遺言者及び証人2名が、公正証書の原本に署名し、押印して完成となります。
最終的に原本は公証役場に保管される点や、遺言作成者ひとりではなく、公証人や証人を交えて内容を確認する点が、公正証書遺言の大きな特徴です。

公正証書遺言のメリット

公証人が作成するので、無効になる可能性がほとんどない

公正証書遺言は、まず遺言の文案(下書き)を公証人に確認してもらうところから始まります。
文案が完成するまでの間は、公証人が内容をチェック・修正したり、その修正案をみて遺言者様が再度要望を伝えたりすることもできます。
自筆証書遺言のデメリットであった、内容の不備等による無効の可能性は、ほとんどなくなると思ってよいでしょう。

原本が公証役場で保存されるので、紛失・偽造等のおそれがない

公正証書遺言の原本は公証役場に保存されます(保存期間:遺言者の死亡後50年、証書作成後140年または遺言者の生後170年間)。
原本と同じ効力を持つ正本(原本の写し)を使って、相続の手続きを進めていくことになります。
原本は公証役場に保管され、正本は紛失しても再発行可能なので、紛失や偽造のおそれはなくなります。

家庭裁判所の検認手続きが不要

家庭裁判所への検認手続きの申立てや、検認手続きに関する立会い等が不要です。公正証書遺言の正本で、すみやかに相続手続きをすすめていくことができます。

遺言検索システムにより、公正証書遺言の有無を確認できる

遺言検索システムにより、全国どこで作成された公正証書遺言であっても検索することができます。
遺言者が亡くなられた後でも、相続人が遺言検索システムで検索することにより、公正証書遺言を見つけることができます。

公正証書遺言のデメリット

費用と手間がかかる

公証人と相談しながら文案を作成するため、自筆証書遺言に比べると完成までに時間がかかります。
専門家に依頼しない場合は、複数回公証役場へ赴き、公証人と打ち合わせをする必要があります。
また、公正証書遺言の作成には、公証役場へ支払う手数料が発生します。具体的な費用は、相続人の人数や、資産の額、遺言の内容で決まります。
専門家に依頼する場合は、公証役場への手数料とは別に専門家への報酬料も発生します。
これらは遺言作成するうえで、大きなデメリットと言えるでしょう。

証人の立会いが必要

公正証書遺言を作成する際、証人2名の立会いが必要となります。
なお、未成年者・推定相続人・受遺者、そしてこれらの配偶者・直系血族等は証人にはなれません。
証人を用意するための手間や、証人に支払う費用が発生してしまう点も、デメリットと言えます。

まとめ

  • 無効になる可能性が低い
  • 紛失、偽造のおそれがない
  • 家庭裁判所の検認手続きが不要
  • 公正証書遺言作成の有無を検索できる
  • 費用と手間がかかる
  • 証人の立会いが必要

いかがでしょうか。
公正証書として遺言を作成することは、遺言の内容をより確実に、すみやかに実現することができる点が最大のメリットです。
遺言を作成しようと考える以上、「遺言の内容の実現」が大きな目的になると思います。その目的を確実に成し遂げるためには、公正証書遺言がもっとも適切であると私は考えています。
もちろん、遺言を書こうと思ったきっかけの中には、お客様の色々な考え方や様々な想いがあると思います。
公正証書遺言に限らず、自筆証書遺言や法務局による遺言書の保管制度等、お客様の状況・ご希望に応じて、適切な遺言作成のサポートをさせてていただきたいと考えております。
お気軽にお問い合わせください。

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