パートナーシップ契約の必要性
弊所では、同性パートナーシップを保証する契約書等の作成支援をしております。
弊所においては、遺言・相続関係業務を専門としておりますが、相続関係の側面から見ても、同性パートナーシップの法的保護の必要性は非常に高いと感じております。
同性パートナーに関する法整備が整っていない現状においては、下記の契約書を作成することで、完全とは言えませんが、同性パートナー間に婚姻に近しい法律関係をつくることができます。
このページでは、それぞれの手続きの特徴をご紹介します。
パートナーシップ契約
同居・協力・貞操義務、日常家事債務、療養看護、財産管理、契約解消時の規律等、異性婚と同様の規律を定めます。
決まった内容はなく、当事者間で協議し、明確に定めておきたい点があれば個別的に盛り込むことになります。
また、医療代理権や死後事務委任に関しても、この契約内に盛り込むこともあります。
契約書の書式に要件はありませんが、住宅ローンや生命保険の手続き関係で、公正証書による契約を求められる可能性があります。
任意後見契約
精神上の障害で事理弁識能力が不十分となった場合、後見制度を用いることが考えられます。
しかし、いわゆる「法定後見制度」では、必ずしも同性パートナーが後見人になれるとは限りません。
これに対して、「任意後見制度」は、本人がまだ契約締結に必要な判断力を有している間に、将来自分の判断能力が不十分になった際に備えて、後見事務の内容や後見人となる人をあらかじめ定めておくことができる制度です。
任意後見契約を締結する前に判断能力が不十分となってしまった後では、この「任意後見制度」を利用することができなくなってしまいます。
将来に備えて、あらかじめ契約書を作成しておくことが重要と言えます。
なお、任意後見契約は必ず公正証書で作成する必要があります。
遺言
異性間であれば、配偶者には相続権がありますが、同性パートナー間は現状婚姻をすることができず、そのため同性パートナー間で相続が発生することはありません。
それでも、遺言書により財産を遺贈することで、財産を引き継がせることは可能です。
大きな財産がない場合でも、生活費等の承継のためには作成の必要性は高いと言えます。
遺言執行者を定める必要がある等、法定相続人間で作成する遺言書に比べると少し複雑な内容になると考えられます。
死後事務委任契約
亡くなった後の事務手続きを誰に任せるか、をあらかじめ契約に定めておくことができます。
病院での手続き、葬儀・埋葬に関して、同性パートナー間で死後事務委任契約を締結しておくことで、親族ではないパートナーでも各窓口でスムーズに手続きが進められると考えられます。
この契約の趣旨を、前掲のパートナーシップ契約に盛り込むことも可能です。
まとめ
いかがでしょうか。
近年、自治体レベルでは同性パートナーシップ制度が広がりを見せていますが、これにより得られる利益はまだまだ限定的です。
同性婚の問題をはじめとして、相続はもちろん、税制、社会保険、在留資格等、国レベルの同性カップルへの法的保障は、当事者達のニーズに合致しているとは言い難いのが現状です。
法的保障の及ばない範囲については、当事者間の契約によって少しでも補っていくことが、今現在の最善の手段であると考えられます。
契約書のご提案から作成まで、弊所においてもサポートさせていただきます。
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